土地家屋調査士が扱う土地の登記について

不動産登記とは、みなさまの大切な財産である土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などを登記所(登記をする役所)の公の帳簿(登記簿)に記載することをいいます。登記の対象となる土地は、日本領土内の区画された一定の地表で、私権の目的となることができるものをいいます。
土地の登記は、固定資産税の算出にも関係しているため登記が義務付けられています。(原則、不動産の取得から一ヶ月以内に登記をしなければなりません。怠った場合は、10万円以下の過料を支払うことになります。)土地家屋調査士が扱う土地登記では、「所在」「地番」で土地の場所を特定し、どんな用途で使用されている土地なのかを「地目」で表し、土地の大きさを「地積」で表します。
土地登記の種類
土地を分けたい
土地分筆登記

一筆の土地を二筆またはそれ以上に分ける登記のことです。土地分筆登記を申請するには分筆する前の土地全体を測り、隣接地の方と土地境界の確認をした後に登記申請をします(要件は境界確定がされている事となります)。また、現不動産登記法上では、面積求積を、以前行われていた残地求積はできなくなり分筆後の各筆全てについて行うのことが原則となっています。この結果、登記簿に記載された地積と実際に測量をした面積との誤差が一定以上の場合、併せて登記簿地積の誤りを是正する登記(土地地積更正登記)も申請することになります。
- 土地の一部を分割して売買たい
- 相続が発生し遺産分割によって土地を分けたい
- 宅地部分と農地部分を分割して、農地部分の税金を安くしたい
- 共有不動産を分割して、それぞれ単独名義にしたい
- 土地の一部を子供にあげたいとき
土地をひとつにまとめたい
土地合筆登記

土地合筆登記とは複数の土地の登記を一つにまとめる登記のことです。
多数の土地を所有していて管理が煩雑な場合や、売買、相続(各相続人の相続分ごとに分 筆しなおすために、相続した複数の土地を一旦1つの土地にまとめるときなど)で分筆を前提とする場合などに合筆登記をします。土地の名義が共有である場合 は、共有者全員からの申請が必要となります。
- 土地の筆数が多くて、管理に困惑するので合併したい
- 数筆の土地を所有しているが、まず合筆して整理してから分筆したい
- 相続分毎に分割し直すために複数の土地を一旦一つにまとめたい場合
- 複数の土地をひとまとめにして売りたい場合
土地の利用目的を変えたい
土地地目変更登記

田や畑、山林などを造成して登記簿の地目を変更していない場合には、「地目変更」登記を申請します。山林や畑であった所に建物を建築したとき、または駐車場や資材置き場等にしたとき、実際の地目に変更する登記手続きです。
言い換えると、土地の利用状況を表す地目に変更が生じた場合、登記簿の内容も同じように変更するために土地の地目変更登記が必要ということになります。この登記で注意しなければいけない所は、いわゆる農地(田と畑)をそれ以外の用途に変更する場合には農地法という別の法律によって、農業委員会というところに届出、あるいは許可が必要になります。この場合は提携先の行政書士事務所を紹介いたします。連携してスムーズな仕事を行います。
- 山林や畑であった所に建物を建築したとき
- 山林や畑であった所に駐車場や資材置き場等にしたとき
その他の土地の登記
土地表題登記
土地表題登記とはまだ登記されていない土地について初めて登記することをいいます。不動産登記簿の表題部と呼ばれる不動産の現状を表示する欄に、所在、地番、地目、地積が記載されます。道路・水路などを払下げされた場合がこれにあたります。
土地地積更正登記
登記上の面積を実際に測量した面積と合致させる登記のことです。(土地には色々な経緯があり、実面積と登記簿の面積が異なる場合があります)土地地積更正 登記のために面積を算出するには、境界を確定する作業が必要となり、土地地積更正登記とは境界確定測量と地積更正登記申請を合わせたものになります。
相続土地国庫帰属制度
土地を手放して国に引き渡すことができる新しい制度です。

相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。
相続土地国庫帰属制度の承認申請の対象者は、亡くなった人の土地を相続して「土地全体を所有する権利」もしくは「土地の共有持分」を取得した人です。
- どのような土地でも所有権を国庫に帰属させることができるのですか。
- 【1】建物がある土地、【2】担保権や使用収益権が設定されている土地、【3】他人の利用が予定されている土地、【4】土壌汚染されている土地、【5】境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地については、国庫に帰属させるための申請を行うことができません。
- どのような人が申請を行うことができるのですか。
- 対象土地を相続又は遺贈により取得した相続人が申請できます。国庫への帰属を希望する土地が単独所有である場合、申請権限が認められます。一方、共有である場合、土地の共有者全員が申請を行う必要があります。
- 手続はどのように進められるのですか。
- 【1】事前相談、【2】申請書の作成・提出、【3】要件の審査、【4】承認・負担金の納付、【5】国庫帰属という流れになります。審査に要する期間は、約半年から1年程度が想定されています。
- 費用はどのくらいかかりますか。
- 土地一筆当たりの審査手数料は、1万4千円となっています。
また、国庫帰属が認められた場合、負担金を納付する必要があります。負担金とは、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額をいいます。詳しくはご相談ください。
土地登記における料金体系
費用の概要については以下をご参照ください(具体的な調査内容、物件数、難易度によって異なります)。ただし報酬には実費等は含まれておりません。
土地分筆登記 | 確定測量費+10,000円~ |
土地合筆登記 | 50,000円~ |
土地地目変更登記 | 50,000円~ |
土地地積更正登記 | 確定測量費+70,000円~ |